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6月8日 60周年を記念して“刀剣旅行”

 秋田県支部が産声をあげたのは昭和28年の6月。終戦後、日本刀は凶器と見なされていた時代、先輩達が日本刀文化の維持継承にかなり御苦労された事が、古い記録から窺い知る事が出来ます。そしてその御苦労が少しずつ実を結び、県から補助金を受けられる様になり、事務局も県庁文化課内に設置されていたという事です。
 それから60年、今は会員の数も当時の半分以下となり、補助金も打ち切られ、事務局も拙宅内に置いているという状況です。しかし、こうした時代の流れの中にあっても、日本刀文化の啓蒙普及の大切さに変わりがない事は言うまでもありません。
 支部創立60周年の今年、先輩達の御苦労を偲びつつ、日本刀文化の発信者となるべき会員諸氏の、刀剣への理解をさらに深めるため、6月8日、“刀剣旅行”に旅立つ事になったのです。
 目的地は宮城県大崎市の「日本刀の源流 中鉢美術館」です。
途中マイクロバスの中では、押し型を見て刀工銘を当てる誌上鑑定ならぬ車上鑑定を実施。バスの中では4問、鳴子温泉のホテルに着いてからは実刀1問の合わせて5問に取り組みました。
 実刀は備州長船光重、貞治4年3月日の年紀がくっきり入っている8寸2分5厘の短刀です。地沸が細かに厚く付いて地斑調の肌合いを交え、淡く映り立ち、刃紋は片落ち互の目や角互の目。
 光重は初代元重の子と言われている刀工で作例が極めて少なく、難問だったようです。それでも皆さん備前は外さず、兼光等の周辺刀工に入札していました。

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その日はホテルに一泊。名湯に入って美酒に酔い、名刀談義に花を咲かせ、翌日はいよいよ中鉢美術館に向かいました。
 中鉢美術館は全国でも珍しい刀剣専門の美術館で、舞草、宝寿、月山という奥州刀を中心に展示しています。展示のコンセプトは「日本刀の源流は奥州にあり」というものです。解説して下さった中鉢弘館長は「鎌倉末期の刀剣書『観智院本銘尽』にベスト42の刀工名があげられていますが、そのうち8人は奥州鍛冶です。宮城県北部の玉造地区で刀を鍛えていた玉造鍛冶の事を、枕草子では『たちは たまつくり』と賞賛しています。あの衛府太刀にも俘囚鍛冶の造った毛抜形太刀が採用されていたのです。このように奥州は刀剣王国であったわけで、源頼朝が奥州に兵を出したのは、なにも平泉の黄金だけが目的だった訳ではなく、刀剣の産出国を支配下に置きたかったのです。」と熱く語ってくれました。“東北の愛刀家たちよ、もっと誇りを持て”と言われているような、凛としたものを感じさせられた中鉢美術館でした。

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 この後我々は岩出山伊達家の庭園「有備館」を見て、一関博物館に直行。ここでも舞草を始めとする奥州鍛冶の刀剣をじっくり拝見させて頂きました。
 帰りのバスの中では「いや〜勉強になった。」「中鉢美術館は目からウロコだった。この次はもっとじっくり見たい。」等の声が聞かれ、60周年記念の刀剣旅行は大成功だったようです。「会員に喜んでもらう事が会の活性化に繋がる。だからこそ60周年65周年という節目は大切にしなければ・・・。」と強く思った今回の記念旅行でした。
 
 
  
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鑑定会・鑑賞会スケジュール

鑑定会と持ち寄り鑑賞会の日程を御知らせします。
★県北分会主催「持ち寄り鑑賞会と初心者講座」
 6月29日(土)午後1時から「北秋くらぶ」(大館市幸町15の6)で開催。参加費1,000円。
★本部刀鑑定会
 7月7日(日)午後1時から 茨島地区コミュニティーセンター(秋田市茨島の茨島体育館となり)で開催。
 講師は、公益財団法人日本美術刀剣保存協会学芸員・大井岳氏。参加費2,000円。
奮って御参加下さい。 
事務局・佐藤
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刀剣秋田

Author:刀剣秋田
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